ただの天才じゃないんです。彼はその中でも特出した超天才なんです。 「ただ、目を凝らす」確かにその通りだ。物事を見ればその有様、仕組み、ロジック、その背景など、ありとあらゆる情報が手に入る。だからこそ、「見て物事を覚える」という手法が有効とされ、勉強、スポーツ、仕事、その他ありとあらゆることに共通していることです。武道でも「見取稽古」という言葉があります。「観察」という行為によって得られた情報を頭の中でシュミレーションすることによって、それを動作につなげて徐々にそのイメージに近づけていく…。普段私たちが行っていることですね。個人差や程度がありますが、たいていの場合、この一連の作業を繰り返して身につけていくものです。
聞き覚えはありませんか?
「何かをうまくなりたいorできるようになりたいなら、見て真似しろ」
何の下地もないのに、いきなり自分独自のものを創造することなどできはしない。行き過ぎた個性主義なぞクソ喰らえ。それができるのは、天才の中でもほんの一握りの超天才のみ。それがレグルス。
レグルスの在り様に自分の劣等感を刺激させられたようです。 体勢を立て直すために引く事もできただろう。己が軍の目的のために適度にレグルスを相手することもできただろう。でも、その選択肢はバイオレートの中には含まれていない。彼女は、自分たちを導いてくれるアイアコスの為に戦っている。彼を満足(?)させるために戦っている。
だが、それよりも目の前にいるレグルスという「天才」の存在を認めるわけにはいかない。彼を認めてしまえば、彼女が這いずり回って得た力や理想が一蹴されてしまう。何故ならば、彼は一瞬にして全てを手に入れられることができるのだから。

己の存在意義や生き方が、レグルスの前では陳腐なものに変わってしまうとわかっているからこそ、バイオレートは全身全霊でぶつかるしかなかった。これは、己の存在意義や生き方全てを賭けた一撃。底から這い上がってきた者が何よりも忌み嫌うのは、全てを最初から持っていた「恵まれた者」であり、天敵でもある。
そして…
そんな想いも、空気を読めずにぶちのめしてしまうのもまた天才です。 恐らく、ロスキャン始まって以来もっとも後味の悪い決着。バイオレートが絶望を抱いたまま逝ってしまいました。だが、これも戦い。全てが全て綺麗に終わるわけではないし、そのほとんどが後味の悪いもの。今までが綺麗過ぎたか…。
特に黄金聖闘士の散り様なんか。
「最初から才も光もあるお前には理解できんだろうがな」とバイオレートは言っていましたが、彼女もレグルスの苦悩を理解できないんだろうな~。
「天才は凡人の苦悩が理解できないように、凡人も天才の苦悩など理解できない」
才能があるものが苦悩を漏らしても、「贅沢」の一言で一蹴される可能性が高いですし、理解されず余計に疎まれるだけ。凡人が天才に苦悩を漏らしても何が苦悩するところなのか理解されないだけ。
それら全てを乗り越えようとするところにレグルスの強さがある。
孤独な黄金聖闘士レグルスの物語は続きます。
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自分の欲や利益の為に、他人を押しのけ、時に大きな損害や迷惑を掛けたりします。それを恥じともせず、モラルやルールを守らないところに批難される原因があるでしょう。
一方で、恵まれた者は既得権益を守ろうとし、恵まれない者から搾取したり希望を奪ってしまったりする傾向があります。権益を守ろうとするのは当然の対応ではありますが、自由に競争する場を設ける必要があるとは思います。
いずれにせよ、双方共に義を守る姿勢が大切ではないでしょうか?
全くその通りだと思います。