
絶対零度に近い闘気を操り、それに触れるものは瞬時に氷の彫刻と化すほどの力を持っていた…。
聖闘士随一の英知を誇り、氷のような冷静さを持ちながらも、心の中では常に仲間を思い、友を信じる暖かな感情を内に秘めていた…。
それもこれも全ては、幼き頃に白鳥座(ノーザンクロス)の夜空の元での親友(とも)との誓いを胸に抱いて歩んできたからこそここまでこれたのだ。
だが、彼は負った役目を信じた親友(とも)に託し、自ら造り出した氷の中で永劫の刻を過ごそうとしていた…。
水瓶座(アクエリアス)の黄金聖闘士デジェルの思いを感じ取るのだ!!
この瞬間、ものすごく嫌な予感が頭を駆け抜けました。 そりゃもう、ニュータイプのごとくです。掠め取ったオリハルコンをあろうことかその場で砕こうとするパンドラ様。そのまま自分たちの牙城にもって帰ればよかったのに、見せしめというか
腹いせにその場で破壊する選択肢を選んでしまったようです。しかも、肝心のオリハルコンは
砕けていないというなんともいえない雰囲気をかもし出してくれました。神話の時代から存在する神の金属がそう簡単に破壊されるとは考えにくいと思うのですが、よほど腹を立てていたのか
頭が回らなかったようです。こんな人でも一応冥王軍を束ねる立場の人なのでお忘れなく。
そして案の定、リミッター解除。 長い間オリハルコンの力を注がれ続けられてきたセラフィナの肉体に、蓄えられていた神の力が溢れ暴走が始まる。ちょっと傷がつくくらいでこのようになってしまうのを見ると、さきほどのデジェルとユニティの一戦でよくこうならなかったものだと考えてしまいます。貧乏くじ引いたなパンドラ様。

ポセイドンの力がセラフィナに宿り、先ほどまでのユニティが望んでいた結果になろうとしていますが、流石に世界の終わりが現実的になってくると人は恐れおののくものです。姉自らの手で裁かれると覚悟したユニティですが、彼の危機を救ったのは親友(とも)であるデジェル。であれば、この暴走を止める手立てを知っているかもしれないという期待がデジェルにはあったのかもしれないが、それは見事に裏切られる。暴走を止める手立ては、海闘士(マリーナ)でももっともポセイドンに近い海龍(シードラゴン)でさえ知りえなかったのだ。
セラフィナを通してあふれ出す力が、神殿の外へと徐々に広がりつつある…。
このままでは世界はこの力によって破壊される…。
鎮めることが出来ないのならば、ここで止めるしかない…。
今ここでその手段を持つのは絶対零度に近い闘気を持つデジェルその人だけ…。
そして彼は覚悟を決めた。
自身が氷の柱となってこの暴走を止めることを。 アテナの命も大事であるが、今目の前にある世界の危機を見過ごすことは聖闘士である彼には出来ない。自らの小宇宙(コスモ)を最大限に燃やし、自身さえも徐々に凍らせていくほどの闘気によって荒ぶる神の力を凍らせていくデジェル。セラフィナの元へ語りかけるように歩み寄るにつれ、全てが氷の中に閉ざされようとしていた。

デジェルの思いを受け取ったのはユニティだけではない。セラフィナもまた感じ取ったのだ。デジェルの錯覚なのか、それともまだ肉体に魂が宿ていた為にポセイドンの力によって蘇ったのかはわからないが、記憶の中にあるセラフィナに最後に出会えた。それが彼にどんな安心感を与えたのだろ。自分と同じように見守ろうとする人がいることが彼にとって救いだったのかもしれない。
そして…
そして全ての刻が止まった…。 彼は一人でもう一つの危機から世界を救った。それを知る者はその場にいたユニティと、これから報告を受けるであろうサーシャと残りの黄金聖闘士たちだけだろう。
思いの全ては親友(とも)に託したし、その思いは必ず親友(とも)は叶えてくれるとデジェルは確信している。だからこそセラフィナに「共に彼の行く末を見守ろう」という言葉を投げかけたのだ。
水瓶座(アクエリアス)の黄金聖闘士デジェルは役目を終え、ユニティの親友(とも)としてこれから永い時を氷の中で過ごしながらユニティ(とも)を見守り続けていく…。 まさかここで脱落するとは思いませんでしたが、最後はデジェルらしいなぁと思いました。彼の死に際は、ロスキャン屈指のシーンですな。というか、黄金聖闘士の死に様は哲学ですな~。
ところで…
これはマジっすか!!!??? 「手代木先生おめでとうございます!!」
と、
「えっ!?ホントに!?やったーーーーーーー!!!」
と叫びたくなりました。
これからもロスキャンを全力で応援させていただきますよ!
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そのまま流されて逃げ延びたと思っています。ここで死なれちゃ話に差支えが出てきますし。