現実という名の大きな壁にぶち当たって壊れてしまったユニティ君です。 いくら知識の宝庫といわれるブルーグラードでもそこは何もない極寒の地。他の土地の者は見向きもしない。何故なら、そこには人にとって魅力的な…対価を支払うだけの価値を見出せない何もない所だと見なしているのだから。
そのことに彼は気がついたのだろう。いや気がついてはいたが、あえて気がつかないようにしていたのかもしれない。彼が今までどれだけブルーグラードのために尽くしてきたのかはわからないが、「こんな幽閉された地」と吐き捨てるようなことを言っているところをみると、かなり精力的に尽くしてきたのではないだろうか。彼のもてる全てを出し尽くしたからこそ、彼は絶望の淵に追いやられてしまったのではないだろうか。
なぜならば、「絶望に堕ちいる者」とは、全ての手を出しつくし、それでも理想に届かなかった者の事を言うのだから。
「この地に神などいやしないのだ!!!」 絶望の淵に追い込まれたユニティは嘆く。己ではどうやっても変えることの出来ない現実と事実。
彼は聡明すぎたのだろう。このままだとブルーグラードの行き着く先がわかっているのだから。それはすなわち「滅び」だということに。彼の苦しみと苦悩は深く渦巻いていく…。
そんな時、彼に一つの「救い」が現れた。光とともに現れた甲冑に身が包まれ、神の前に彼は召喚された。神はいたのだ。彼と彼の救いたいと願う土地に手を差し伸べてくれたのだ。
ただその神は、太古の昔から地上の覇権を狙っていたアテナと敵対する大神・ポセイドンであり、彼はその配下である海闘士(マリーナ)として選ばれた。近い将来、親友(とも)であるデジェルと相見えるという運命も決まった。

実の父であるガルシアさえもその手で葬ったユニティ。とり憑かれてしまいましたな。果て無き欲望に。こうなってしまった人は一番たち悪いです。「民のため」とか聞こえのいい謳い文句いいながらも、実際には、己の欲望を満たすため&自分にとって都合のいい解釈でその力を振るうのですから。
「世界の支配者」とか考える辺り、243年後のカノンを思い出してしまいます。海龍(シードラゴン)に選ばれるやつは代々こんなやつらばかりなのかな?だとすれば、ポセイドン軍が敗北してきた理由もわかる気がする。
海闘士(マリーナ)を束ねる頭がこんな調子じゃあね…。 海龍(シードラゴン)の人選設定を見直すことを進言いたします。
しかし、これでユニティがデジェルと再会する前から海闘士(マリーナ)として覚醒していたということがハッキリしましたな。姉がどうこうとかいうぶっ飛んだ読みは外れてよかったよかった。

堕ちた親友(とも)を嘆き、拳を向けるデジェル。彼の心境も色々と渦巻いているでしょうな…。
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親友へのダイヤモンドダスト=氷河vsアイザック
原作ファンにはたまらないアレンジですねぇ…。
>原作ファンにはたまらないアレンジですねぇ
その他にも原作をリスペクトしたものが多い&手代木先生のアレンジが際立っているのが、このロストキャンバスという作品のよさだと考えています。