
心臓を患っているからこそ…自分の命が長くないとわかっているからこそ、彼は自分の命を最大限燃やせる獲物を求めていた。
賭けられる命はただ1つ。
獲られるのはたった一瞬の輝きだけれども、それでも彼は最大限命が輝ける瞬間を追い求めていた。
蠍座(スコーピオン)のカルディアの命を賭した黄金の輝きを見よ!!

生涯一度きりの一撃を放とうとするカルディアに覚悟を見たラダマンティス。そこには、先ほどまでカルディアを格下と侮っていた雰囲気はもはや無い。彼を対等な相手、覚悟を決めた闘士として迎え撃つ一人の忠義に厚い闘士の顔がそこにはあった。お互いに最大限に小宇宙(コスモ)を燃やし、相まみえる…。

渾身のスカーレットニードルがカルディアの指から穿たれようとするが、ラダマンティスによって針が穿たれる前に止められてしまう。ラダマンティスが一枚上手だった。グレイテストコーションによって針を捥がれ、聖衣もろとも腕が粉砕されてしまったカルディアだが、
黄金聖衣(ゴールドクロス)が粉砕されていることにツッコミを入れてはいけない。描写ですよ描写。雰囲気を出すための描写なんです!!
止めを刺そうとラダマンティスの牙がカルディアに襲い掛かる…!!
だが…、
蠍の針は二本あった…!!「針が一本だけだと思うなよ…」 すんません!蠍蠍とかいってるんで、二本目があるとはまったく予測してませんでした!!穿たれたラダマンティス本人が一瞬「何が起こったのかわからない」といった表情をしていますが、読んだわたしも一瞬こんな表情をしていたかと思います。
カタケオを穿たれるが、執念でカルディアに届く位置まで歩みだすラダマンティス。だが、あと一歩というところで全身に高熱が周り絶命する…。
しかし、カルディアは「血が沸騰する」とか、「心臓が燃える」とかなかなかエグイ必殺技を生み出してくれましたね。たぶん今までの蠍座(スコーピオン)の黄金聖闘士でも彼だけなんでしょうね。この技が使えて放てるのは。
さよならラダマンティス。243年後にまた会いましょう。 「自分の中で始まったばかりの聖戦」といっていたラダマンティスも、そうそうに退場してしまいました。ミーノスといい、ラダマンティスといい、彼らが負けるのは必ずといっていいほど
相手を見下して油断していたのが原因なんですよね。神話の時代から聖戦を繰り返し、その都度、冥王軍は敗北してきたわけですが、その
敗北から何も学んでないことがよくわかります。そして243年後も同じことをして聖闘士に敗れています。しかも今度は自分たちの主が討ち取られてしまったという完全敗北です。

彼が得たかったものは得られた。仕留めた獲物を置いて海底神殿の深部へと進もうとするが、
カルディアの足が止まってしまった…。
そこから先に進むことが出来ない…。
もう、アンタレスの鼓動の音が聞こえない…。
聖戦はまだまだ続くが、後をデジェルという友に託しつつ、カルディアの命の輝きが静かに燃え尽きた…命の輝きが失われたのだ。
ラダマンティスを獲物と定めたのも、彼が命を賭けるに値する存在だったということがよくわかった。それは、比喩とか死にたがりとかそんなことではなく、最後の最後で己の命を燃やして輝きたかったのだろう。生の実感を得たかったのだろう。
ちょっと誤解していたけれどかれは立派な聖闘士でした。
蠍座(スコーピオン)のカルディア逝く!!
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もう一仕事してから息絶えそう。
次の聖戦では唯一オルフェの琴で眠らなかった男ですから。
ラダは特別なんです。
そんなことになったら私の中でラダマンティスの評価が覆りますな~。