この幼稚園のクラスにおいて、あたかも皆がハヤテを非難しているように思えますが、実は皆さんにとっても結構目撃しているシーンなのではないでしょうか?もしくは、体験したことがあるなんて人もいるのかもしれません。集団というのは怖いものです。何か一つの共通目的があると集団というのは恐ろしいほどの力を発揮します。
ですが、集団というのは一枚岩に見えて実はそうではありませんし、そう単純にカテゴリー化できるものではありません。幾つかの群集が集まって集団を形成しているわけです。今回の例を使えば、少なくとも私はこの集団を3つの群集にカテゴリー化出来ると考えます。
それは
1・ハヤテを悪者と祭り上げる群
2・ハヤテを庇おうとするが出来ない群
3・無関心を装っている群
どれも社会学の理論を使って分析して説明することが可能であり、細分化すればもっと多くの群が出てくると思いますが、今回は大まかに分けました。その中で今回は3の「無関心を装っている」群に注目して行きたいと思います。
さてさて。「無関心を装っている」というのはどうゆうことかといいますと、もう読んで字を読んだごとくなんですよね。ですが、これは私生活において皆さんが常に行っている行為なんです。
例えば、道行く人と目が合うときがありますが、それは一瞬のことでずっと見ているという事はしませんよね?お店や街中で騒いでいる人がいたら一度はその人を見ますよね?街中で喧嘩をしている人がいても何もなかったことのように通り過ぎていく所を見たことがある人も多いはずですし、これは怪我をしてうずくまっている人がいても同じようなシーンが見れるかと思います。
どうでしょうか?皆さんも身に覚えがあることではないでしょうか?
これが「無関心を装っている」ということであり、社会学用語で言う「儀礼的無関心」ということなのです。
「儀礼的無関心」とは、上記の例で挙げた例のときに起こる行為を指します。簡単に説明すれば、「見知らぬ他者同士の間で不要な係わり合いが生じるのを避ける」ということです。暗黙のルールですな。誰だって好き好んで面倒ごとに首を突っ込むのは嫌なものです。下手をしたら自分が悪者に仕立て上げられることがあるだろうし、最悪、刺されるなんてこともありえます。
新聞やニュースで見ませんか?「喧嘩仲裁で介入した人が刺された」とか、「街中で人を注意したら逆恨みされて…」なんてことを。もちろん、「儀礼的無関心」という暗黙のルールを破ったからといって必ずしもそのような目に会うわけではありませんが、リスクの1つとして十分考えられます。そのようなリスクを出来るだけ取り除くために人は「儀礼的無関心」を装っているのです。
でも実は、この「儀礼的無関心」は見知っている他者同士でも行われていることなんですよ。
例えば、知り合ってから随分と経つ友人がいるが、家族関係が複雑でその話題に触れないようにしているとか、知り合いがお金に困っているけど頼み込まれるのが嫌で話題に出さないとか、「関心はあるがあえてそこには触れない」というパターンのことです。
こうしてみると「儀礼的無関心」は二種類あると考えられます。「見知らぬ他者同士の間で行われる儀礼的無関心」と「見知っている他者同士でも行われる儀礼的無関心」です。
ハヤテのクラスメイトで「無関心を装っている群」は、「儀礼的無関心」の中でも「見知っている他者同士でも行われる儀礼的無関心」であると考えられます。
実はこれが一番エグイです 何故ならば、「見知っている他者同士」であるならば、ある程度相手のサインやらシグナルに気がつくものです。ここでいうサインやシグナルというのは、「助けて」とか、「俺今困っているんだ」やらの意思表示を会話のニュアンスに含ませたり、目で訴えたりと直接言葉で言わなくても相手に伝える行為のことを指しますが、それをあえて「見て見ぬふり」をするわけです。
簡単に言えば、相手が困っていると知っていながら見捨てるという行為なんですよ。 これも私の感想の中に頻繁に出てくる社会学者アーヴィン・ゴッフマンの理論のなかの1つで、それをさらに広げたものです。もう、この人自身が「人が嫌いなんじゃないか」と思うぐらいエグイ見方しかしない人ですので、私もこのように捉えてしまいます。
こうして考えると、ハヤテを非難している人たちより悪質なのは、実は「見知っているのに見て見ぬふりをしている」人たちなのかも知れません…。
さあ、貴方が同じような場面に出会ったとき、貴方の立ち振る舞いは今後どうなるのでしょうね? という脅しを入れてみる(笑)
今回のこの話は、178話の感想に織り込もうと思っていたが、アイデンティティの話を先に挿入してしまったので出来なかったお話です。
べ、べつにヒナ&ハム関係の話が没になった変わりに書いたわけじゃありませんよ!! ホ、ホントダヨ…。
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どうもです。なるほど。これをいじめ問題とリンクさせましたか~。私にとってはちょっと意外でした。
>今、日本では、こういう人が著しく減っているので、いじめも、ますます増えていますから、こういう人は、とても社会を良くできると思います
実は、このコメントを見て只今ある記事を製作中です~♪なんというか、社会学魂に火がつきました。
記事がアップされて、もしお読みになる場合には注意書きをよく読んでから読み進めてください。
それでは~。