聖闘士星矢とは、私が小さいころに車田正美先生がジャンプで連載していた作品で、当時、絶大な人気を誇っていた漫画のひとつです。私の友人の中には、「聖闘士星矢は俺の人生のバイブルだ!」と本気で公言している奴がいるほどです。土曜日の夜にアニメが放送されていて、私もチャンネルを妹と血で血を洗う骨肉の争いをしたことをなんとなく覚えています。必死だったんですねあのころは。
聖闘士(セイント)とは、神話の時代より語られてきた闘いの歴史の中で、軍神アテナを守る脅威の力を持った闘士たちのこと。武器を持たない彼らは(一部例外あり)、己の中にある「小宇宙(コスモ)」と呼ばれる魂の力を燃やすことで、原子そのものを破壊する力を発揮します。簡単に言えば、
歩く核兵器みたいな存在です。
その中でも黄金聖闘士(ゴールドセイント)というのは、太陽の黄道に位置する12星座の名を持ち、守護星座とする、選ばれた12人の最強の聖闘士のことをいいます。まあ、最強の聖闘士といわれているわけですから、当然他の聖闘士達より強く、それぞれの必殺技の破壊力は人智を超えたものになっています。隕石を召喚したり、異次元を開いたり、銀河を破壊したり、魂魄を無理やり取り出したりなど、人智どころか、
この世のすべての理を超越しています。もはや何でもありです。技名も派手で、銀河爆砕(ギャラクシアン・エクスプロージョン)やら、星屑革命(スターダスト・レボリューション)やら、名前のとおりの現象が起こるわけです。
さて、このエピソードGですが、タイトルで聖闘士星矢といいながら、前作の主人公・星矢が出てくるわけじゃありません。このエピソードGは、獅子座(レオ)の黄金聖闘士(ゴールドセイント)アイオリアが主人公なのです。
ゼルダの伝説もそうですよね。伝説を作っているのは、明らかに主人公のリンクであるはずなのに、何故か活躍していないゼルダ姫の名前を冠しています。
リンクが凄く不憫に思えてなりません。
エピソードGは、聖闘士星矢のお話より十数年前(?)の物語です。まあ、ほとんど正史から外れているみたいなので、独立してしまった感じはあります。
アイオリアや他の黄金聖闘士達が闘う相手は、大神・クロノス王をはじめとするティターン神族や、ミノタウロスやゴルゴン、ヒュドラなど神話上の神々から古から伝えられる怪物などがよくでてきます。なんかスケールが大きすぎやしないか?という突っ込みは今更無しです。読んでいけば、そんなのは気にならなくなります。
ギリシア神話のお話がよく出てくるので、その手の話が好きな人は楽しめると思います。
聖闘士達の傷つきながらも、仲間や守る者のために立ち向かっていく姿や、敵でありながらも敬意を払い、正々堂々と戦う姿は読んでいて熱くなってしまいますよ。
蠍座(スコーピオン)のミロが、冥府から甦ったトロイアの英雄・ヘクトルとの闘いで言ったセリフは、すごく心に残っています。
「オレは過去の英雄を尊敬し、古き歴史を誇りに思っている。だからこそ過ぎ去ったもの達に敬意を払い、オレ達は今を生きる。そして、今を生きる若い世代が、新たな時代を作ると信じるからこそ、闘う為に前に踏み出す!」 な~んか、今の自分に欠けているもののひとつを指摘された気分です。他にもいいセリフが満載で、感動すること多数です。
読み応えのある漫画を見たいと思っている方や、熱い漫画が好きだという人で、まだ聖闘士星矢エピソードGを読んだことのない人は是非見てみてください。前作の聖闘士星矢を見たことがなくても、十分世界観はつかめるし、楽しめるものとなっています。
聖闘士星矢エピソードG チャンピオンREDコミックス 車田正美(作)岡田芽武(画)
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