
偽りの神曲であっても、自らの生命力を削る行為であっても、テラト・テルミンが残した理想を追い求めるクリスタ。例えそれが届くことのない理想であってもそれを本物と認識している彼女は歌い続ける。
事務所に戻ってユフィンリー達とどのようにして彼女を止めるか話していても何も思いつかないフォロン。「自ら死を望んでいる者に私達の言葉は届かない」そんなコーティカルテの言葉が仲間達に暗い影を落とす。だが、希望はあった。テラト・テルミンの言葉ならば彼女は聞き入れるのではないかと。フォロンたちは彼が残した研究資料のなかからその言葉を見つけ出そうとする。

屋上で歌うクリスタの元に誘われるようにミサキが前に現れた。そこで語られる様々なこと。クリスタにとってテラト・テルミンの理想を追うということは、自分が愛した男の影を追っているようなものだったのだろう。
彼女達がいる屋上から、ふと目線を近場に移すとそこではなにやら不穏な動きをする男達の姿が…。彼女達が見たものは反精霊団体のメンバーと残りの精霊爆弾だった。そしてその精霊爆弾がふとしたきっかけで発動してしまう…。


箱の中に封じられていた精霊が禁断症状を起こし、その苦しみを増幅させて周辺の精霊達に影響を及ぼしていく。暴走した精霊達は見境なく人を襲い、街を破壊していくのだった。
なんというか見てくれがめっさ怖いんですけど…。

暴走した精霊を鎮めるためカウンターフィット・レインボウに録音されている曲に自身の神曲を上乗せするフォロン。旋律は、神曲楽士から神曲楽士へ伝えられ増幅していく。その中では神曲楽士でない者の音も含まれていた。それぞれが思い思いに紡ぎだすメロディを乗せて神曲がトルバス全土に広がっていく。

全体的に作画は綺麗なほうだったと思う。その中で好きなものをお一つ。一番は下のやつですけどね。

暴走した精霊達を鎮め、クリスタにテラト・テルミンが残した言葉も伝え、朝焼けの中で一息つくフォロンとコーティカルテ。彼ら自身もまだまだお互いを分かり合ってはいないが、互いに歩み寄ろうとしている。もしかしたらテラト・テルミンが理想とした人と精霊の関係というのは、彼らのようなことなのかもしれないし、また、それは人と人との関係のこともでもいえることなのだろう。何故なら相手が精霊であろうが人であろうが、自分以外の他者という点においては同じことなのだから。
結局のところ、この作品のテーマを自由に上げろというならば、相互理解、他者という存在と自分がどう接していくかということだと考えます。
神曲とは精霊だけでなく人の心も動かすもの。また、神曲とは何も楽器だけを使って紡ぎだすものではなく、人の魂の形をもって相手に見せるもの。神曲楽士以外の人々は神曲を奏でられないのではなく、魂の形を表す術を持たないだけ。神曲楽士とは魂の形を表す手段を持つ者。それがたまたま曲として表せた。ただこれだけなのだ。
そう考えると人は皆神曲を持っているのだろう。夢や希望など自分が思い描いているものそれを他者に伝えられるならば、それは神曲といえるのではないだろうか。

最後にお気に入りの画像でも上げておこ。アニメは終わってしまったので小説やその他の企画でまた楽しんでいくとしますか~。
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