
魔宮の奥からわざわざテンマの元へと出向いてきたアローン。彼の口調によると何のためだかは知らないがテンマの死が必要とのこと。ボスキャラが予定よりも早く主人公たちの前に登場するのは、話の構成上必要なイベントを行うためか、話を割愛する為かのどちらかが多い。
すなわち後者は
大人の事情で連載が…ということ。ここまで来てそれは無いかと思いますが、元祖の聖闘士星矢も打ち切り同然だったので可能性は無きにしも非ずです。
自分の手で殺した多くの人々の真実の色が幾重も混ざり合って既に自分の[真実の色]は漆黒に染まってしまったというアローンですが、同じ事を強要するのは傲慢というか嫌がらせにしか思えません。

だが、テンマは人を失った哀しみだけでを背負ってきたわけではない。アスミタやアルデバラン、デフテロスやパルティータなどは、テンマにあれこれと助力したり、時には諭すように語り掛けたり、言葉にはしなかったがその生き様で彼に語りかけたりと彼が立ち止まらないよう後押ししていた。そうやって彼は前に進んできたし進むことができた。そしてその中で色々な人から想いを受け取ってアローンの前に立つわけです。
この作品のテーマの一つとして上げられるのは「繋ぐ」といったところでしょうか。一人一人が進める道は限られているが、進んだ先で柱になることによって後の世代の道標(目標)となり、後の世代は進んでいく。セージやハクレイ、氷結地獄でシオンを手助けした聖闘士たちがまさにそれを見せてくれたわけです。
彼らは己の生を全力で全うし、その先を次世代に託しているわけですから、自らの力を次世代だけの為に使った単なる自己犠牲論的なことではないと私は捕らえています。
感覚で捕らえたことを言葉にすることは非常に難しいですが、なんとなくこの作品で伝えたいことが読み取れます。

そして、テンマと同じようにアローンの目の前に立つサーシャも同じ気持ち。想いを繋げていく人々に魅せられ、人類サイドにどっぷりと浸かってしまった女神様ですが、これが後に天界に反目することになるなど誰が予想したでしょうか…。

冥衣を纏っていよいよ本気モード&戦う前の押し問答は終わったわけですが、ここまで考え方や物の捕らえ方がテンマやサーシャと反目しているのが面白い。だが、アローンの述べていることも一理あり。哀しみの連鎖を完全に断ち切る為に全てを無に帰すというのは選択肢としてはありでしょうねぇ…。
歩んでいけば必然的に痛みを覚えてしまう。だが、その痛みを完全に取り除くならば歩みを止めるしかない。
全ての人々を救うことを選択したアローンにとっては、人生に痛みだけを味わっている人が一人でもいたら許せないんだろうな。彼は優しすぎた。
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あのケルベロスが出てこないのも気になりますし。
あるいは、アローンに時間がないのかも。
実はハーデスがまた出てきそうになってるとか。
ここまで来て完結早めてるとかはあまり考えたくないですね。
この作品自体が次へ繋がる話でしたね、そういえば。w
何かすっかり忘れてました。
ロスキャンの奥には、いつぞや出てきたアローン、テンマ、サーシャが描かれた、彼にとっての[救済の絵]がおいてありそうですよね。
アローンはその絵に描かれた自分に色を塗ってロストキャンバス完成&自分も(ハーデスが出てくる前に)消滅するつもりなのではないかと予測してみたり。
>ALMIAさん
結末はわかっているが、そこに至るまでの過程が解き明かされるor描かれるのがロスキャンですからねぇ…。毎週気になります。