
時は遡って千年前。平安京の内裏の白州にて、天皇やその他の貴族の御前にて術比べをする安部清明と蘆屋道満。清明の素顔が初お披露目となったわけですが、その出で立ちは、
鉄拳の平八というか、
サリーちゃんのパパというか、
ジャイアントロボの小李広みたいな印象を受けます。これが鵺とも呼ばれ、あの土蜘蛛が再戦を望む相手なのか…。
十三代目秀元の例のように安部清明も美男子に仕上げてくるかと思えば、ダンディなおっさんとしてデザインされたとはちょっと意外でした。
しかもまっとうに人間をやっているという…。
それとは反対に、清明のライバルとして描かれる蘆屋道満はというと…
単なるよぼよぼのじじぃとか椎橋先生の悪意を感じずにはいられません。 物語であるように典型的な三下というか、主人公・清明の引き立て役となっている道満。天皇や貴族たちの前でしてやったり顔で清明の悪事を暴こうとしているときの彼の表情が完全に悪役です。信じられるか?この妖怪じじぃの直系が、花開院家の一族なんだぜ…。つまりは、ゆらもこのじじぃと同じ血を引いているということだ。
この後、道満は術比べに負けるだけでなく、
女子(おなご)たちの黄色い歓声までかっさらわられて完全敗北するわけですが、道満大先生の面子のために完敗するまでの事細かな描写は控えさせていただきます。別にめんどくさいとかそんな理由ではないですよ?決して。
それにしても、記憶が薄れて定かではないが、映画『陰陽師』でもこの様な清明と道満との術勝負のシーンがあったようななかったような?

清明の述べる秩序とは、「妖怪と人の完全なる住み分け」とも取ることができる。光が当たる中を人が住み、夜が訪れて闇が広がればそこは妖怪の住処となる。共存ですな。お互いにお互いの領域に踏み込まずに秩序だった生活を営んでいたとかそんなところなのでしょうか。そしてそれを不必要に逸脱したものは、人であろうが妖怪であろうが清明の手にかかってしまったのかもしれませんね。
しかし、その秩序も清明がいなければ保つことができない非常に危ういものであったということですね。それは、自身が永遠を生きたいと願ったからに他ならない。それでもやはり、清明が生存していた頃の京の都はその秩序が保たれて平和だったのかもしれません。
…あれ?そう考えると京妖怪の宿願(大義)の方が、奴良組よりもスジが通っているように思えてしまう…!
自ら作り出した秩序を永遠のものとする為に、自身の命も永遠となることを望んだ清明。それは、京妖怪の千年の長きに渡る宿願となり、今正にそれが成就しようとしています。
試験がひと段落したので感想再開です。
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のらりくらりと更新していきますね~。