WBCの決勝戦で、アマチュア野球最強のキューバを見事に破り、日本がWBC初代王者になりました。予選からずっと見てきて応援してきたのですが、野球とはこんなにも見ていて楽しいと思えるような試合ばかりでした。優勝して喜ぶ選手たちを見て、素直におめでとう&感動をありがとうと言いたいです。
ところが、この感動に水を差すような言動がテレビで聞くことがあります。選手だけでなく、日本を応援していた観客にも言及したことです。大きな国際大会が行われたときに必ずいわれていることですが、日本のナショナリズムの高揚を懸念する声です。
素直に感動しているときに冷や水をかけさせられたようで、非常に嫌な気分にさせられました。なので、私からも反論させてもらいます。それは「ナショナリズムと愛国心は違う」ということです。
中には、え?と思う人もいるかもしれません。試しに辞書を引いてみましょう。
広辞苑では、愛国(心)は、「自分の国を愛すること。」と記され、ナショナリズムは、「民族国家の統一・独立・発展を推し進めることを強調する思想または運動。民族主義・国家主義・国粋主義などと訳され、種々ニュアンスが異なる。」と記されています。
では次に英語辞書を引いてみましょう。英語での愛国心という言葉は実は2種類の表記があります。通例ほめた言いかたのPatriotism(パトリオティズム)、時にけなした言い方のNationalism(ナショナリズム)、さらにNationalismには国家主義、国粋主義などの意味が含まれています。
和製英語とは便利な反面、単語の持つ本来の意味が正確に表せないことがあります。これもその一例ではないでしょうか。Nationalismという単語が多義的な意味合いを持っているがために、日本語でナショナリズムといわれると、愛国心、民族主義、国家主義、国粋主義などの様々な解釈が出てきてしまいます。これによって混乱する人が多く、また、区別することができなくなっている人も多いのではないでしょうか。
この違いがわかると一部の人たちが言う、他国の愛国心を褒めるor擁護する「いいナショナリズム」と、日本の愛国心を断罪するときに使う「悪いナショナリズム」が何を指しているのか判断できるようになります。すなわち、彼らの言う「いいナショナリズム」とはPatriotismを意味し、「悪いナショナリズム」とはNationalismを意味しているということです。
彼らがどんな判断基準を持って日本の愛国心をNationalismとしているかは理解しかねますが、少なくともPatriotismではないということだけはわかります。Patriotismには、純粋に故郷(国)を思う心、郷愁などが含まれており、自分が生まれ育った故郷があるならば持っていて当然の感情です。そこには思想はなく、否定すること、問題にすること自体がおかしなことなのです。
本来、愛国心とナショナリズムは区別して論じるべきなのですが、日本では区別されずに議論されています。そのために色々と誤解し、愛国心を否定したり、懸念したりする人が多いのではないでしょうか。
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そういうこと?
詳しいことは今書いてますので、そっちで語らせてください。